遮熱塗料とは

屋根に遮熱塗料を塗っている職人

この記事では遮熱塗料の基本的な知識を分かりやすく解説していきます。

遮熱塗料の正しい知識が無いと、間違った誤解により期待外れの結果になってしまう事もあります。

それだけで無く、塗料メーカーのカタログやパンフレット、施工業者や営業マンのセールストークに騙されて高額な費用を払わされてしまうことも。

そんなことにならないために、遮熱塗料の正しい知識や効果、費用面についても解説をしていきます。

目次

遮熱塗料とは?

遮熱塗料は一般的な塗料とは違い、太陽光の熱を反射することによって被塗物の温度上昇を抑える効果を持った塗料のことです。

遮熱塗料が太陽光を反射できる理由

遮熱塗料は一般的な塗料とは違い、特殊な顔料や添加剤を含んでいます。
これにより、太陽光や熱放射を効果的に反射する事ができるのです。

もう少し詳しく解説すると、太陽光の光の成分には「紫外線」や「遠赤外線」もありますが、「近赤外線」というのもあり、その部分が熱に影響を及ぼします。

この太陽光の「近赤外線部分の光」を反射させる事で、塗った物の表面温度を一般塗料よりも低く抑えることができるのです。

遮熱塗料の種類

遮熱塗料塗装後の屋根

遮熱塗料にはどんな種類があるのかをここでまとめてみましょう。

塗装する場所で分類すると、主に下記の3種類になります。

  • 屋根用の遮熱塗料
  • 外壁用の遮熱塗料
  • 防水面用の遮熱塗料

屋根に塗る遮熱塗料の特徴

遮熱塗料の主な用途は、屋根の塗装です。

屋根は太陽光が直接当たる部分なので、遮熱塗料を塗れば反射する効果が最も高くなります。

これにより、室内の温度上昇を抑制する効果があります。

遮熱塗料を屋根に塗ると効果がある!

遮熱塗料を屋根に塗ることで得られる効果は、階下の部屋の温度上昇抑制です。
一般的な屋根用塗料を塗った場合よりも、室内の温度上昇を軽減することができます。

これによりエアコン冷房を付けずに済む日が増えることもあるでしょうし、エアコンを付けた場合の電気使用量を減らすことも出来るので、節電・省エネが出来るのです。

もう少し直接的に言ってしまうと、遮熱塗料を塗る効果は「電気代が安くなる」という事です。

また、二次的には屋根の表面が高温にならないので、劣化の進行も抑えることが出来、屋根の耐久性や寿命を延ばす効果もあります。

外壁に塗る遮熱塗料の特徴

遮熱塗料を外壁に塗った場合、その効果は屋根ほど期待できません。
上記の解説でも分かるように、遮熱塗料は直接太陽光が当たる部分にだけ作用(影響)があるからです。

つまり、太陽光が当たらない「日かげ」の部分に塗っても意味が無い事になります。

遮熱塗料を外壁に塗っても効果が期待できない理由

外壁に太陽光が当たるのは壁の1面あるいは2面のみです。

外壁が多面体であったとしても、最大で半分の面にしか太陽光は当たりません。

では、太陽光が良く当たる南面と西面にだけ遮熱塗料を塗れば良いのでは?とも思えます。

ただ、南面は太陽光が当たりますが、そうなると窓開口を作る事が多くなります。
また、一般的な住宅の場合南面にはせり出したベランダがあるので、太陽光を受ける外壁面があまり無いのです。

残った西面には外壁面が多く、西日がきつい場合は反射できるので効果はあるかもしれませんが、限られた立地条件と言えるでしょう。

外壁用の遮熱塗料もある事はありますが「一般論」としては、屋根ほどの効果は期待できないと思った方が無難です。

防水面に塗る遮熱塗料の特徴

屋上の防水面は屋根に当たるので、太陽光が良く当たる部分です。
この部分に当たる太陽光が反射すれば、直下の部屋の温度上昇は抑えられる筈です。

防水面に塗る塗料にも遮熱塗料がありますが…
防水面の色は既にライトグレー程度の明るい色になっていることが多く、次の項で解説する「色の関係」で遮熱塗料の効果がそもそも出にくい傾向にあります。

遮熱塗料と色の関係

遮熱塗料は塗料の成分により太陽光を反射させることが出来ます。
ただ、効果は塗料の「色」によって各色で違いがあります。

つまり、同じ遮熱塗料であっても色ごとの反射率が違うので効果も色によって変わってきます。

遮熱塗料の効果は「色」により鈍る場合がある?

特に黒っぽい色や白っぽい色の場合は、下記のようなある意味不思議な事が起こり得ます。

黒っぽい濃い色の上に似たような遮熱塗料を塗った場合

黒い色は太陽光を吸収しやすい色なので、遮熱塗料の効果はあるが体感しづらい

白などの薄い色の上に似たような遮熱塗料を塗った場合

白い色は太陽光を反射しやすい色なので、それまで以上の遮熱効果は出にくい

遮熱塗料の効果が出やすい色のパターンは?

上記を踏まえて、遮熱塗料の効果を最大限引き出す色のパターンは…

黒っぽい色の上に白っぽい遮熱塗料を塗った場合
  • 色が黒系から白系に変わると、それだけで反射率が上がる
  • 一般の塗料から遮熱塗料に変わると、塗料の反射率も上がる
遮熱塗料の効果を最大限引き出す色のパターン

元々黒系の色が塗ってあった場所に、白系の遮熱塗料を塗った場合

遮熱塗料の注意点

遮熱塗料の注意点は、上記のような遮熱塗料の特性や実際の効果を正しく理解して塗装する(依頼をする)ことです。

一般的に塗料メーカーのカタログやデータは、都合の良いように書かれていることが多いもの。
その煽り文句に乗っかる形で塗装会社の営業マンが「何を塗っても効果が出る」ような事を言う事があります。

遮熱塗料の塗装方法

遮熱塗料の塗装の方法は、塗料の中の成分が違うだけなので他の一般的な塗料と違いはありません。

遮熱塗料の料金

遮熱塗料の料金について考えてみると、さまざまな要素があります。

具体的な料金は、地域や業者、施工の場所や面積などによって異なります。
また、遮熱塗料の種類やブランドによっても価格は異なるでしょう。

一般的には、遮熱塗料の料金は材料費と工事費です。
材料費は塗料の価格、工事費は塗料の施工や作業にかかる人件費や設備費などを含みます。

屋根用の遮熱塗料の費用

一般的に屋根に塗る遮熱塗料の材料費は、一斗缶セットで2万3千円前後です。

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屋根の塗装工事費

遮熱塗料の工事費は、以下の条件で45万円程度です。

遮熱塗料の工事費
  • 一般的な30坪程度の木造2階建て
  • スレート屋根
  • 足場作業も含む
  • 遮熱塗料はエスケー化研クールタイト


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