ガルバリウム鋼板がトタンより優れている理由

ガルバリウムの第一の特徴は、それ以前からあったトタン（亜鉛メッキ鋼板）より優れている点です。

ガルバリウムのメッキは、亜鉛メッキにアルミニウムを加える事で、耐久性・耐熱性が約3～6倍も延びます。

この記事では、ガルバリウム鋼板がトタンより優れている理由について解説をしてみます。

ガルバリウム鋼板はトタンより優れた建材

ガルバリウム鋼板とトタンは、鋼板に保護メッキが施されている点や、使用目的・見た目・使い勝手はほぼ同じです。

ガルバリウム鋼板の方が価格がやや高いですが、トタンより高級で丈夫な建材として広く受け入れられました。

今ではトタンで出来ていた建材のほとんどがガルバリウム鋼板に変わっています。

ガルバリウムが丈夫な理由

ガルバリウムメッキが亜鉛鋼板（トタン）より耐久性に優れる理由は、アルミニウムの添加により亜鉛の耐食性が向上し、酸化や腐食から鋼板を保護する効果があるからです。

アルミニウムの添加により亜鉛鋼板の耐食性が向上する理由は、以下のような効果があるからです：

以上のように、アルミニウムの添加によって亜鉛鋼板の表面に形成される被膜は、酸化防止、電気化学的保護、およびバリア効果の面で耐食性を向上させる働きをします。
これにより、ガルバリウムメッキは亜鉛鋼板よりも優れた耐久性を持つのです。

ガルバリウム鋼板とトタンの比較

	ガルバリウム®（ガルバリウム鋼板）	亜鉛メッキ（トタン）
起源	ガルバリウム® は、1972 年に Bethlehem Steel によって発明された商標名です。 金属屋根製品を表すために使用されます。	亜鉛メッキは1742年にフランスの化学者Melouinによって発表され、1836年にSorelが特許を取得し世界で初めて工業化されました。
定義	ガルバリウム鋼板は亜鉛、シリコン、アルミニウムをメッキした屋根板です。 これらのメッキ層で鋼板を保護します。	トタンは鋼板に亜鉛メッキを施した一般的な屋根材です。
構成	ガルバリウムはアルミニウムが 55%、亜鉛が 43.4% 、シリコンは1.6% の構成です。	亜鉛メッキは亜鉛100％です。
使用法	主に屋外の屋根に使用されており、錆びにくく、氷、雨、雪にさらされても耐性があります。	屋根板としても使用されますが、性能が比較的低いため、主に建設現場や修理工場で使用されています。 単一金属組成のため、コスト効率が優れています。 腐食を効果的に防止します。
厚み	ガルバリウムの厚さは約 1 ミルです。	厚さに制限はありませんが、10 ミルを超えると、冷却に余分な時間がかかります。
耐久性	15年以上の耐久性があり、錆びにくいです。	ガルバリウムに比べて耐久性が低く、錆も早く発生します。
メリット	10～15年以上の耐久性を備えた標準価格 耐食性があり、自己修復性もある。	平均価格でガルバリウムと比較して安価。 適切な気候条件にさらされた場合の寿命。

まとめ

ガルバリウム鋼板はトタン（亜鉛鋼板）の高耐候品として非常に成功しています。
ガルバリウム鋼板は、トタンに比べてさらに優れた耐食性と耐久性を備えています。

トタンは従来から日本や他の地域で屋根材や外壁材として利用されてきましたが、長期間の使用により徐々に錆びが進行し、耐久性に課題がありました。そこで、ガルバリウム鋼板が開発され、トタンの高耐候品としての課題を解決することができました。

ガルバリウム鋼板は、亜鉛めっきにアルミニウムとシリコンを添加することで耐食性を向上させています。アルミニウムの添加により、亜鉛めっきの耐食性が向上し、鋼板の表面がより強固に保護されます。
これにより、ガルバリウム鋼板は長期間にわたって錆びることなく美しい外観を維持し、耐久性が高まります。

また、ガルバリウム鋼板はさまざまな気候条件に対応できる優れた耐候性を持っています。
太陽光や雨水、風、塩分、酸性雨などの外部要因から鋼板を保護し、優れた性能を発揮します。
これにより、屋根材や外壁材としての長寿命化が実現されました。

ガルバリウム鋼板はその高い耐候性と耐久性から、住宅や商業施設、工場などさまざまな建築物の屋根材や外壁材として広く利用されています。
トタンの課題を解決し、より信頼性の高い建材として確立されたガルバリウム鋼板は、建築産業において重要な存在となっています。