電気代の中でも高い割合を占めるエアコン。
特に夏場の電気代は、注意していないとびっくりするような額の請求書が来ることも。
そこで出来るのが省エネとその効果ですね。
無駄なガマンや効果の無い努力をせず、簡単に効果の出る省エネ・節電の方法を紹介します。
エアコンはどのくらい電気代が掛かっているの?
家庭の電気代で一番使っているのは、やはりエアコンです。
参考までに各サイトで調査している資料をいくつか調べてみると…その割合はなんと!約40%~50%にもなりました。
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夏場のエアコン冷房の電気料金
エアコンの電気代は「期間消費電力量」という目安があります。
期間消費電力量とは
期間消費電力量とは、1年を通じてエアコンを使用した場合に消費する電力量の目安で、以下のような試算値となっています。
- 外気温度:東京をモデルとしています。
- 設定温度:冷房時27℃/暖房時20℃
- 期間:冷房期間(5月23日〜10月4日)
- 暖房期間:(11月8日〜4月16日)
- 時間:6:00~24:00の18時間
- 住宅:JIS C9612による平均的な木造住宅(南向)
- 部屋の広さ:機種に見合った部屋の広さ
期間消費電力量による1年間の電気代の計算式
期間消費電力量をもとに、1年間の電気代は以下の式で計算しています。
1年間の電気代(円)=期間消費電力量(kWh)× 1kWhあたりの電気料金※(円)
※公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会の新電力料金目安単価をもとに、1kWhあたり31円で計算しています。
Q:カタログなどに載っている電気代はどのようにして算出するのですか?
A:電気代は、電力料金と使用時間で算定されます。(電力料金単価×使用時間=電気代)
電気代は電力料金と使用時間で算定されます。電力料金は地域により異なる場合がありますので、家電公取協では、電気事業連合会のご協力により得られた全国の電力料金を踏まえ、目安単価を決めています。
引用元:公益財団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
現在の目安単価は、31円/kWh(税込)です。
また、使用時間については、商品によりいろいろ異なりますので、各工業会で算出方法の基準を決めています。基準がない場合には独自の算出方法を使用することもありますが、その場合は必ず算出根拠を、表示することが必要とされています。 なお、現在の目安単価は、電力会社の電力料金の改定を受け、令和4年7月22日に改定したものです。
期間消費電力量の試算例
例えば期間電力消費量が冷房時166kWh、暖房時420kWh、合計586kWhのエアコンがあるとすると、下記のような計算式で電気料金の試算ができます。
夏季の冷房代:166kWh ×31円/kWh=5,146円(A)
冬季の暖房代:420kWh ×31円/kWh=1,3020円(B)
1年間の冷房+暖房のエアコン電気代:18,166円(A+B)
エアコンの性能や大きさによる「冷房時期の期間消費電力量」の違い
期間消費電力量は、エアコンの性能や大きさにより違います。
性能は年々良くなってきているので、ここでは2023年時点で売られているエアコン(日立:白くまくん)4グレードで計算し、部屋の大きさごとのエアコンで冷房した時の期間消費電力量の平均値を調べてみました。
部屋の大きさ | エアコンの能力 (標準のパワー) | 期間消費電力量 の目安(冷房時) | 1年間の 冷房代の目安 |
---|---|---|---|
6畳 | 2.2kW | 160kWh | 6,402円 |
8畳 | 2.5kW | 182kWh | 7,208円 |
10畳 | 2.8kW | 203kWh | 7,897円 |
12畳 | 3.6kW | 285kWh | 11,718円 |
14畳 | 4.5kW | 294kWh | 12,780円 |
18畳 | 5.6kW | 466kWh | 18,585円 |
効率的なエアコンの節電方法
では、エアコンを無駄なく効果的に使うには、どのようなことに注意をすれば良いのでしょうか?
ここではちょっと気を付けるだけで節電・省エネにつながる方法を紹介します。
雨戸やシャッターを閉めるた時の節電効果
夏の外気が家に入ってくるのは約7割が窓からと言われます。
という事は窓から入ってくる熱気を遮るのが一番効果があるという事です。
ですから、雨戸やシャッターを閉めておくのが、一番手軽で効果的な省エネになります。
また、エアコンを使った時の冷気が外に逃げてしまうのを防ぐ事もできます。
そのため、2重の意味で省エネになりますね。
雨戸やシャッターを閉めると節電効果があるというのは誰でも思いつきそうな省エネです。
ただ、その効果を測定した客観的なデータはほとんどありません。
そこで色々と調べた結果、いくつかのサイトを見つけることが出来ましたので紹介しましょう。
LIXILの窓断熱のコラム
サッシメーカーのLIXILのサイトらしく、分かりやすい図解を沢山使って解説がありました。
暑さ寒さ対策に窓の断熱が大切な理由や対策方法などが紹介されています。
※ 夏の暑さの約73%は窓や玄関などの開口部から入ってくる
※ シェードやよしず・すだれを設置して日差しを遮った時の効果
※ 雨戸・シャッターを閉めた時の遮熱効果
https://www.lixil.co.jp/reform/gensai/column/column_vol04/
雨戸に断熱塗料を塗ったレビュー記事
「家電・生活用品レビュー」というサイトに「遮熱ペンキを雨戸に塗って効果を測定してみた」という記事を見つけました。
かなり詳しく効果測定がされていますのでとても参考になります。
※ 雨戸に遮熱塗料を塗った後に温度を計測しているところ
https://reviews.f-tools.net/Atusa-taisaku/Thermal-Insulation-Paint.html
カーテンを閉めた時の節電効果
いちいち雨戸やシャッターを閉めるのは面倒…という場合や、雨戸やシャッターの付いていない窓もあります。
そんな場合にはカーテンを閉めておくのが良いでしょう。
特に厚手のカーテンや遮熱カーテンだとより効果的です。
カーテン製造メーカーアルマックのサイト「満点カーテン」のコラム
生地のデザインから縫製、梱包、配送まですべて自社で取り組んでいる株式会社アルマックさんのサイト「満点カーテン」で「カーテンで節電効果!夏は涼しく冬温かい!」という記事を見つけました。
この記事の中では、カーテンを閉めた時の効果を第三者機関(日本繊維製品品質技術センター)で検査を行った以下の結果を公表しています。(同社の1億円カーテン使用時)
- 夏場:太陽光の熱気をカットした断熱効果…約57%
- 冬場:暖房で暖められた室内の空気の保温効果…約31%
エアコンのフィルター掃除をする
エアコンのフィルターが目詰まりしていると、冷暖房の効率が下がり無駄に電気代を使ってしまいます。
フィルターの掃除は2週間に1度が目安です。
掃除機でサッと吸い取ってしまえば済むので、お手軽な節電方法です。
エアコン室外機の周りに物を置かない
エアコンの室外機には、大きなファンが付いています。
これは、冷房時に室内の熱を外に逃がしたり、暖房時には外気からの熱を取り込むという大切な役割があります。
ですからファンのすぐ前に物を置いたりすると、熱交換の効率が悪くなりエアコンの効きが鈍くなってしまいます。
当然電気を無駄に使うようになり省エネには逆効果ですから、エアコン室外機の前には無駄に物を置かないようにし、風通しを良くしておきましょう。
扇風機やサーキュレーターを併用する
最近のエアコンは多機能になっているので、ムラなく色々な方向に風が吹くようになっています。
その機能だけに頼っても良いのですが、さらに扇風機やサーキュレーターを使って室内の空気の循環を補助する事で省エネに繋がります。
特に夏場はエアコンの設定温度が同じでも、適度な風が当たる事で体感温度はより涼しく感じます。
エアコンを使う前に換気をする
帰宅時には、まず窓を開けて部屋の換気を行ってからエアコンのスイッチを入れるようにしましょう。
それぞれの部屋の窓を開けて暑い空気を一旦逃がす事で、部屋全体を換気できます。
特に1階と2階・3階とでは激しく気温が違いますから、階段を通して上階の暑い空気を外に出すと効果的です。