皆さんは「ガルバリウム鋼板」と聞いてどのようなイメージを持っているでしょうか?
もしかして「丈夫で長持ちする特殊な金属」というようなイメージで「錆びない」ように思わされていないでしょうか?
そのような少々の誤解がある気がしたので、今回この記事書くことにしました。
多くの方に誤解されているガルバリウム鋼板について、簡単に分かりやすく解説をしていきます。
ガルバリウム(Galvalume®)とガルバリウム鋼板の違い
「ガルバリウム(Galvalume®)」というのは、1972年に米国ベツレヘム・スチール社が開発した、メッキの名前で【登録商標】になっています。
「ガルバリウム鋼板」とは、上記のガルバリウムメッキの製造法を日本製鉄株式会社がライセンス契約をし、鋼板にメッキ加工を施した板材の商品名です。
(ガルバリウム鋼板は日本製鉄の【登録商標】です)
日本でもアメリカでも、多くの人が「丈夫で長持ちする特殊な金属板」というイメージの一般名称として使用していますが、本当はちょっと違います。
ガルバリウム(Galvalume®)とは?
Galvalume®(ガルバリウム)は、鋼板を錆びにくいようにするメッキの事です。
ガルバリウムのメッキは、主に以下の成分で構成されています。
- 55% のアルミニウム
- 43.4% の亜鉛
- 1.6% のシリコン
ガルバリウムの語源
(実は個人的に物の語源にとても興味があります)
「ガルバリウム」という名前の語源は、メッキの成分から来ている造語とのこと。
「亜鉛メッキする」という意味の「ガルバナイズ」と「アルミニウム」を合わせて「ガルバリウム」になったのでしょう。
ただ、ネーミングが良過ぎたのか、金属そのもののように思えてしまいます。
ガルバリウムは金属ではなくメッキの名前です。
「ガルバリウム(Galvalume)」という用語は亜鉛めっき(galvanize)とアルミニウム(aluminum)を合成したものとされ、ガルバリウム鋼板を開発した米国の会社による造語である。
三井トラスト不動産:不動産用語集:ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板の金属部分は「鋼(ハガネ)の板」のこと
「ガルバリウム鋼板」の金属部分を指すのは「鋼板」です。
鋼板というのは「鋼の板」の事で、細かいですが「鋼」は鉄ではありません。
「鋼(はがね)」は、鉄に炭素を少量(2%程度)加えた合金です。
炭素合金にする事で、純粋な鉄に比べ強靭になり、加工性も増します。
(鉄のほとんどが鋼に加工されて利用されています)
その鋼を、平たく板状に加工したものが「鋼板(こうはん)」です。
まとめ:ガルバリウム鋼板とは
「ガルバリウム鋼板とは、ガルバリウムのメッキが施された、鋼の板」という訳です。
つまり、アルミニウム(アルミ)のように単体の金属ではありませんし、合金でもありません。
イメージ的には「強力なコーティングで覆われた鉄(本当は鋼)」や「とても丈夫なトタン」と言った方が誤解が無いと思います。